アンティーク、ヴィンテージゴールドという素材について
- qosmos
- 24 時間前
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Antique Gold Pendants & Qosmos Emblem Gold Ring , Telos Gold Ring
思い返すと今年は例年よりも
ジュエリー&アクセサリーに没頭した一年。
シルバー、真鍮、異素材、
そしてゴールドといった
様々な素材のジュエリーを
仕入れていきました。
本日は
心を奪われた素材のひとつである
ゴールドという金属について。

1970's British Vintage 9K Gold Ring(SOLD)
古来より人類がジュエリーとして
"価値"を見出した素材のひとつが、ゴールド。
石でも鉄でもなく
なぜゴールドだったのか。
見ための美しさや
資産価値もさることながら
経年により
"変質しない素材"だったのも
大きな要因。
紀元前に製作された
ツタンカーメンの黄金のマスクもそうですが
ゴールドは錆びず、腐らず、朽ちない。
地球から掘り出された姿のまま
ほとんど変質せずに存在し続ける金属。
人々はその性質に
"永遠"や"神性"を重ねます。
王や貴族、宗教者
そして一般の人々まで
ゴールドは常に
特別な意味を持つ素材として
扱われていきました。
じゃ、なぜ僕達は現代品もあるのに
アンティークやヴィンテージで
興奮してしまう変態なのか。

1880-1900s British Antique 9K Rose Gold Pendant Necklace
質感オタクの僕からすれば
アンティークゴールドが放つ魅力は
じんわりとした深い輝き
そして、熟成。
長い年月を経て
表面がわずかに摩耗し
角が丸くなり訪れる
自然な経年変化。
どこか温度を感じるような
肌に馴染む質感を帯び始めます。

1905s British Antique Sapphire & Diamond 18K Gold Ring(SOLD)
時間が完成させた、
熟成したとも言うべきか。
また、いくつか愛でていると
例えば18Kイエローゴールドだけでも
色味が一定でないことにも気付きます。
少し赤みが入ったり
黄色味が柔らかかったり
わずかに鈍い輝きを持ったり。
その違いは
割金の影響だけでなく
同じ18K純度の中でも
当時の合金技術や職人の感覚による
アナログな製法だからこそ
発生する、揺らぎ。
その不均一さこそが
アンティークゴールドという素材そのものを
一点物たらしめています。

Late 1800s European Antique 14K&17K Pendant Necklace
最後に。
ゴールドジュエリーは
戦中戦後などの時代によっては
生活難により売却され
地金として溶かされてしまう話も
これまでに沢山聞きました。
この影響により
特に戦前戦中より古いアンティークは
現存数が下がったとも言われています。
ヴィンテージやアンティークに慣れると
在ることが当然のように思えたりしますが
現代まで残るということは
とてつもない確率の奇跡。
美の不変、熟成、奇跡。
古きゴールドの魅力に溺れ
来年は
より快楽主義者になっていきたいと願う
年末のとある夜。

